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ENGINEER LIGHTING セミナー 『MTC2011』

MTC2011 Report Vol.2
 — メディアサーバー(映像コンテンツ)利用の照明プランニング

[2011.10.7]

前ページに引き続き、6月に開催されました第4回ELセミナー『MTC2011』 のレポート・Vol.2です。
このページでは主に、特別講習の『 メディアサーバー(映像コンテンツ)利用の照明プランニング 〜ムービングプロジェクターとピクセルマッピング入門 』についてレポートします。

  • このプログラムは、(株)東京舞台照明 ビジュアルライティング部 岡山貞次氏、 Hippotizer(メディアサーバー)に詳しい(株)テクニカル・サプライ・ジャパン 熊谷憲一氏 のご協力のもと、弊社代表取締役・緒方の進行により行われました。
◊始めに: エンジニア・ライティングでは、過去に、展示会「Lighting Products2007」 及びこのセミナー・MTCで2回、計3回ほどメディアサーバーを取り上げた講習を組んでおりますが、 実施の手応えは薄いように感じています。しかし、ステージにおいて「見えるものには責任がある」 というスタンスからすると、映像ほかさまざまな要素がミックスされた現状をコントロールするには、 一つに、メディアサーバーを使いこなすスキルが必要であると考えます。 また、今後のLED負荷を鑑みるとch数の増大という直近の課題もあり、イーサネットを用い、 ひとつひとつの灯体chをコントロールするという概念を超えた方法論を検討、進めていきたいと考えています。
 
まず、舞台照明・岡山氏プランニングのデモンストレーションをご覧いただきましたが、 それは下記に写真(スライドショー)及び機材表を載せておりますので、ご参照いただき、 副題にあるムービングプロジェクター,(メディアサーバー)/ピクセルマッピングについて、 ざっくり説明します。
ムービングプロジェクター〔DL-3〕とは :
通常ハロゲンやメタルハライドといった光源が、映像プロジェクターになったムービングライトである、 と言えます。従来のムービングスポットがGOBOで表現していた(それ止まりであった)ものが、 画像/動画が充てられていると考えてよいかと思います。
今回使用したHighEnd製DL-3は特に、メディアサーバーを内蔵しているため、 DMXでGOBOを変えるように画像等のコンテンツ変更が可能であり、カラーパレットによるカラーミキシング、 またArtNet対応によりイーサネットでの制御と共に、同環境にあるPCで作成したコンテンツを 簡単に取り入れることが出来ます。
動画投影/色味替え

※オブジェクトにGOBOを投影→画像/動画を投影   ※動画の色味を変える(中央はLEDスクリーン「LEC375」)

では、そもそもメディアサーバーとは?を、TSJ 熊谷氏から簡単に解説いただきました。
メディアサーバーとは :
多くのコンテンツ(画像などの要素)を格納しておけるパソコン、と思って下さい。
そのコンテンツをレイヤーにアサインして再生します。レイヤーとは皆さんがお使いのCAD系ソフト・VectorWorksや 画像処理ソフトPhotoshopと同意味です。 いわゆるビデオジョッキー(VJ)がパソコン・スイッチャーを駆使してパソコンのキーボードで再生していたことを、 メディアサーバーがDMX対応することによって、DMX卓から従来の照明(ムービングライト)に合わせて ショーを演出していくことができます。
コンテンツ操作

※左端↑メディアサーバー(Hippotizer)設定画面。 DMX卓で、コンテンツ/動画サイズを大きく→小さく→位置移動。

照明が、映像の明るさ・色味・スピードをコントロールすることにより、 スマート/スムーズなプログラミングが可能です。
今回使用のメディアサーバー、GreenHippo社のHippotizerでは、照明が扱えるメディアサーバーとして DMX512で制御できるという点が最大の魅力です。これは、照明(ムービング)と映像が、 一般的なムービングコントローラーで一元的にコントロールができるということに他なりません。
 
また、LEDライトの躍進により(先にも述べたch数の増大の問題も兼ね)、 1ピクセルに照明を当て込むマッピング、ひいては欲しいところだけ光を出す・効果を出す、 という点においても、メディアサーバーを使い込む、学んでいく必要があるだろうと思います。 マッピングについて、再び説明いただきました。
ピクセルマッピングとは :
「デジタル映像は小さなドットの集合体である」ことを踏まえ、その1つのドット/ピクセルを 1台のフルカラーもしくは白色LED機器、または1つの電球に置き換えて、 ネットワーク経由でDMXを出力する機能。LED機器を数多く、マトリックス状にレイアウトすることで、 照明器具を使った映像表現が可能になります。
マッピング

※オブジェクトに投影→それぞれの面に投影 (テクスチャ/プロジェクションマッピング) ※Hippotizerのマッピング画面

Hippotizerでは、VectorWorksの図面データからアサインする、 という方法でマッピングが容易になっているようです。 また、マスク機能を有効的に活用し、出力したい/したくない箇所にピクチャ(幕のような役割)を 貼り付けることで総合的な演出表現が可能になります。
 
では、以下、スライドショー(デモンストレーション映像抜粋)をご参照下さい。
 

MTC2011: 『メディアサーバー利用の照明プランニング』 デモンストレーション


 
参照していただくとお分かりかと思いますが、LED機器ひとつを1ドット(ピクセル)としてマッピングすると、 大きさや機材の特徴により、見え方にかなり違いがあります(ビームショーになるか、映像として見えるか)。 その違いを念頭に置き、どうマッピングしていくかが重要であると言えます。 また、近年、ムービングコントローラーの進化が著しくはありますが、 こういった(デモ)の効果はメディアサーバーを使用した面白さならでは、とも言えます。 さらに、先に「画」を描いてしまうことにより、プランニングにかかる時間が大幅に短縮されるという利点もあります。
 
◊終わりに: メディアサーバーをどう利用していくか、 また使いこなすための機能習得の必要、といった考慮点もまだまだありますが、 ビジュアル部門も含めての照明という欧米の例にならい、 日本でも映像の分野に照明の方から踏む込んでいく姿勢が必要ではないかと思われます。 コンピュータ、LED機器の発展・映像の多用により、照明家が配線施工だけを担うといった 将来を考えられなくもない状況を見据え、エンジニア・ライティングでは 今後もこのような研鑽の場を設けたいと思っております。

デモンストレーション使用機材一覧表

デモンストレーション使用機材名 (メーカー)使用数
Stagebar 54L (Martin)12
BB4 (i-Pix)8
Hyper-LED60 (EL original)36
MAC101 (Martin)10
LEC375 (Radiant)36Flame (3×12)
Krypton25 (Elements)18
CUBE100 (ZenithSystems)36
DL-3 (HighEnd)4
VL2500 (VARI LITE)2
Alpha Profile 700 (ClayPaky)3
MAC350Entour (Martin)4
Hippotizer (GreenHippo)1
grandMA (MA Lighting)2

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